加藤久和です。
本日は、一般の方が分かりつらい、「設計・工事監理と施工(工事)を別の会社が行うスタイル」のメリットについて、書いてみたいと思います。
工務店やハウスメーカーが行う「設計監理と工事を同じ会社が行う、設計施工スタイル」とは異なっています。
私どもアーキベースは、「設計・工事監理と施工(工事)を別々の会社で行うスタイル」のうち、設計・工事監理が主な業務となります。(施工は別となり、その都度、複数の工務店や建設業者による見積合わせを行っています)
「設計・工事監理」の設計とは、みなさんがイメージしている通り、図面を書く事です。(最近はCADが一般的です)
ただ、図面を書くと言っても、計画模型作成やボリューム図作成、法規制チェックや使用する材料仕様、構造計画、ご要望条件等を調整確認しながら、根気よく実施する詳細な作業となります。CADにて作図する作業は、最後の最後の作業なんです。
図面は平面図や立面図だけではなりません。建物の仕様図、仕上関係図、イメージ資料、詳細図、構造図、設備図 設備仕様などがあり、私どもでは、少なくても40枚以上の図面を作図しています。
3~5枚程度の図面でも家を建てる事はできますが、図面表記が無かった事項については、工事途中や完成時において、お客様が思っていたものと違うなど・・・・、トラブルが起きやすい状況となってしまいがちです。
「建築確認申請や住宅金融公庫審査等を行っているので心配ない」という事もありません。
申請に必要な図面は、本来工事に必要な図面のうちのほんの一部です。
図面は、「お客様の希望や条件、決定事項」を表現したものです。
「図面が少ない⇒工事する人への伝達事項が少ない」という事となります。
よって、図面情報が多ければ多いほど、工事の際に間違いが少なくなると言えます。
ただ、図面がきちんと整備されていても、図面通りに工事がなされていなければ全く意味がないため、チェック機能が重要となります。
そこで、今度は「設計・工事監理」の工事監理が登場です。
工事監理とは、作成された設計図通りに、工事がなされているかをチェックする業務です。 また提出された見積書の内容チェックも重要な業務となります。
建物を建てる場合は、設計図を基に工事が進められます。
工事監理は、工事中の状況を図面と照らし合わせながら、様々な点において現場にて目視確認しています。また、図面では伝えられない事項は、工事監理者を交えて定例会議や都度個別打ち合わせを行って進めています。
この時、工事監理と工事をする会社が一緒の場合(設計施工)は、どうしても社内の建築士による工事チェック、協議となってしまい、時にはなれ合いや、お客さまより会社の利益を優先せざる得ない状況もあるかもしれません。
それを防ぐためには、工事費用からの利益にとらわれず、お客様の代理人として、現場監督などと打合せや技術的な協議を行える「設計・工事監理と施工(工事)を別々の会社で行うスタイル」をお勧めします。
「設計・工事監理と施工が別々の会社で行うスタイル」は、工事監理者において、工事費用からの利益に関係ないため、専門家としてお客様側に立つことができ、いかにお客様のためになるかを常に考えながら監理業務を行うことが可能となるためです。
以上が設計・工事監理と施工が別の場合の大きなメリットとなります。
とっても手前味噌に聞こえてしまうお話となってしまいましたが、公共工事や海外では普通のスタイルとなり、よくよく考えてみるとお客様にとっては当然のメリットのある方法なんです。
ただ、建築事務所が介在すると、工事監理や図面の重要性よりも、「コストが高くなってしまう、作品にされてしまう・・・・」などと思われている様で、なかなか浸透していかないようです。
そんなことは決してないんですが・・・・。イメージなのでしょうか・・・。
非力ながら、もっともっと、「お客様の専門家」として、努力していきたいと思います。
(有)アーキベース一建築士事務所
新潟市の不動産土地情報・建築設計事務所
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