建築市場の変化と、これからの医院・クリニック設計
土地・住宅市場の変化
近年、建築を取り巻く環境は大きく変化しています。
新潟市の土地・住宅市場を見ても、これまで比較的動きの早かった地域で売り物件が長く残るなど、以前とは違った傾向が感じられます。また、売出価格が見直される物件もあり、土地市場にも変化が見られます。
新潟市の新設住宅着工戸数は、2016年の5,870戸から2024年には3,510戸となり、8年間で約40%減少しています。
※出典:新潟市「新潟市の産業2025」
この数字には共同住宅なども含まれますが、新築住宅市場が大きく縮小していることが分かります。
その背景には、人口減少や少子高齢化、世帯構成の変化に加え、建築費の高騰など、複数の要因があると考えられます。
こうした市場の変化は、土地の選び方や建築予算の考え方にも影響を与えています。
建築費の高騰と医院建築
医院・クリニックの建築においても、資材価格や人件費の上昇による影響が続いています。
従来と同じ規模や仕様の建物でも、以前より多くの建築予算が必要となり、建物本体に加え、医療設備や駐車場整備なども含めた計画が求められます。
これまで当事務所が携わってきた医院建築では、土地を購入するだけでなく、借地によって開業される先生方も多くいらっしゃいます。
土地の取得方法によって初期費用や将来の計画も変わるため、それぞれの条件に応じた検討が必要となります。
医院建築では、診療内容に応じた諸室の配置や患者さんとスタッフの動線、医療設備、駐車場など、さまざまな要素が関わります。
その中で、診療に必要な機能を確保しながら、建物の規模や仕様、設備の内容を整理し、予算とのバランスを図ることが設計上の大きな課題となっています。
新築と既存建物の活用
医院の計画には、新築だけでなく、既存建物を活用した開設や、医院承継に伴う改修などの方法があります。
新築では、診療方針に合わせて建物全体を計画できる一方、既存建物の改修では、建物の構造や設備を活用することで、初期投資を抑えられる場合があります。
ただし、既存建物の改修が必ずしも合理的とは限りません。建物の状態や必要となる改修範囲によっては、想定以上の費用がかかることもあります。また、既存建物の制約によって、希望する診療動線や諸室の配置が難しくなる場合もあります。
そのため、工事費だけでなく、診療内容への適合性や将来の使いやすさも含めて、新築と改修のどちらが適しているかを判断する必要があります。
これからの医院設計について
建築費や土地市場が変化する中でも、医院に求められる基本的な機能や、患者さん・スタッフにとっての使いやすさは変わりません。
一方で、診療科目や診療方針、敷地条件によって、適した建物の形はそれぞれ異なります。
当事務所では、30年以上にわたる医院設計の経験を活かし、新築医院の設計から既存医院の改修まで、それぞれの条件に応じた計画を行っています。
建築費だけにとらわれず、診療環境や建物の将来性も含めて配慮し、建築予算と建物の質のバランスを大切にした医院設計に取り組んでいます。
(有)アーキベース一建築士事務所
新潟市の不動産土地情報・建築設計事務所

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